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DIY賃貸の経済学〈3/5〉

全国賃貸住宅新聞

· メディア掲載

DIYで不動産を動かすための3つ目の重要ポジション[②-2 不動産コミュニティデザイナー]について 。

DIY賃貸では所有物件をオーナー自らDIYすることは工事費用圧縮とオーナースキル&モチベーション向上の大きな意味があり多くの報告で確立したと考えられます。しかし、前述「DIYの社会学」で紹介したように、DIYが持つソーシャル性を理解して不動産再生企画を立てると、労力対効果のレバッレジを大きく効かすことができる。ただそこには、必要条件として「職業人としてのコミュニティデザイン能力者」の存在が必要。


自分もその一人として無償の社会活動をされている方はたくさんいらっしゃいますが、不動産再生に特化した業務としてこの役割の方は少ないです。しかし、全国を回ってまちの活性化が起こっているところには、必ず様々なポジションをベースにした「不動産コミュニティデザイナー(RCD)」がおられました。


その中で、僕らのDIYプロジェクトで一緒に取り組むコミュニティデザイナーさんたちは、職業として取り組んでもらっています。
記事の久留米 半田 啓祐 半田 満さんは不動産オーナーをベースに、まちのCDに取り組んで来られましたが、今回の コーポ江戸屋敷 団地再生プロジェクトでは団地再生業務としてのRCDとして活躍中。


「室内をリノベーションしてもその部屋に住む人にしか伝わらない。建物の敷地全体を変えることで、住人以外にも知ってもらう機会を作ることが大事。まずはRCDerの活動周知。簡単なDIYワークショプ、月イチニュースレター、入居者食事会でお互いの理解を深めている。そのなかで、暮らしを楽しむ入居者さんが見つかり、ココチイイつながりの価値を伝え広めてもらう。オーナーや管理会社だと入居者との壁ができることがあるが、CDだと中立的立場で意見を集めやすく伝えやすい。」


私たちの冷泉荘でも管理人常駐だが、実質の仕事はRCDである。

初代管理人の 山本くんは入居者さんたちにその能力を鍛われたことで、今 筑豊の観光協会を運営する人に育ったのだと思います。
冷泉荘 のように単一不動産だけで主職業とするのはまだどこの物件でも難しいかもしれないが、パラレルキャリアが進む中で、RCDerが まちのCDerとして活躍するためのトレーニングの場となる時代が来て欲しいと思う。そのアイテムとしてDIYは最高の武器となる。


そんな意味で、DIYのソーシャル性を理解した新職能「不動産コミュニティデザイナー」の養成が急務であることを強く意識するようになりました。

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